【Starlay War】イーサリアムで起きたCurve warをワンチームで再現するStarlayの開発チームの考察
今回はStarlay、Kagla、Muuを組み合わせた投資方法を解説します。
Polkadot上のNo.1レンディングプロトコルであり、Astar上の60%以上のドミナンスを獲得しているStarlayをご存知でしょうか?
Starlay Financeは、Astar Network上でトークンの預け入れ/借り入れを行うレンディングプロトコルで、ASTRやステーブルコインを預けたり、お金を借りたりすると利息としてガバナンストークン$LAYが貰えるプロトコルです。
このStarlayの開発チームは、Starlayの他にKagla、Muuuというプロジェクトの開発も行なっています。
創業者であるNeo氏が、イーサリアム上のプロジェクト「Curve」に言及しているように、このチームがイーサリアム上で起きたCurve Warを元に、どんな事をしようとしているのか気になったため、これからAstarが盛り上がった際に、起こるであろう”Starlay War”に関して考察していきたいと思います。
Defillama:https://defillama.com/chain/Astar
本来は「Kagla War」と表現すべきですが、この3プロジェクトの中で最も知名度があり、Polkadotの大半のTLVを占めているのがStarlayであることから今回はKaglaではなく3プロジェクトの象徴として「Starlay War」と表現しています。
また、今回のStarlay Warを解説する前に前提となるCurve Warについてもおさらいです。
Curve Warとは
Curve Warはソフトペッグ系トークンに特化したAMMプロトコル「Curve Finance」のトークン$CRVの分配権を巡って、あらゆるプロジェクトがCRVを奪い合う戦いを「Curve War」と呼んでいます。
Curve Financeのポイントは3点です。
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CurveはDeFiにおける王様であり、ステーブルコインは是が非でもCurveに流動性を追加したい。
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ステーブルの流動性を追加するにはガバナンス投票を通して採用される必要がある
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報酬のボーナスを貰うためにもガバナンス投票を通して採用される必要がある
上記の理由から、Curveの流動性に自社の発行するステーブルコインを追加するためにはCRVを集めてガバナンス投票を経て勝ち取らなければなりません。
また、Curveはガバナンストークンである$CRVを一定期間ロックすることでveCRVを獲得することができ、このveCRVを保有することで、
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DAOの投票権利
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流動性提供者に最大2.5倍のブースト
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取引手数料の内50%の配当権利
これらのインセンティブが貰えるので、各プロトコルは必死で$CRVを集めるように動くことになりました。
要は多くのユーザーに自分のトークンを利用してもらうために、投票力を強めて、Curve上で優位に立つ必要があります。
この競争の勝者は、CRVの専門商社として誕生したConvexであり50%以上のCRVを獲得しています。次にConvexのCXVを奪い合う競争へと発展し、今もその戦いはカルテルが形成されるなど話題がつきません。
本来Curveで投票権や報酬のブーストを得るためには”最大4年間ロック”しなければ貰えませんが、ConvexにCRVをステーキングすると”ロックなし”でCurveのステーキングと同等の権利が貰えます。また、追加でConvexのガバナンストークン$CVXも貰えます。
そのため、わざわざCurveにロックする必要性が無くなるため、Convexを利用するユーザーが急増する結果になりました。
結果的にConvexは発行されているCRVを50%以上保有することなり、Curveのガバナンス投票はConvexが圧倒的に有利な状況となりました。つまり、Curveにステーブルコインの流動性を追加したいプロジェクトは、Convexでガバナンスを通すためにCVXも大量に保有する必要が出てきました。
Curveの決定権を握るConvexの決定権を握るために、CRVとCVXの両方を集める必要があるということです。
このように、CRV、CXVをより多く獲得するために起こっているのがCurve Warです。
以前CurveWarについて記事を書いているので、詳しく知りたい方はぜひこちらを読んでもらえますとありがたいです。
Starlay warの概要
ちなみに、Starlay Warといっても実際にCurve Warのような投票権や報酬のブースト目的でCRV、CVXを奪い合うような動きは起きておりません。
今後もしAstarのエコシステムが盛り上がり、多くのステーブルコインが発行され、KaglaがCurveのようなポジションを築いた場合はCurve Warのような事象が発生する可能性がありますが、今回はあくまでStarlay、Kagla、Muuuを組み合わせて効率的に資産運用を行うための解説となっています。
図1
図1は、ざっくりと全体像がわかるように詳細は省いた図です。
いわゆる、CurveがKaglaであり、ConvexがMuuuといった具合です。
Muuuが、KaglaのガバナンストークンであるKGLの専門商社の役割を担い、ブーストされたリワードを受け取りLPに分配をしているイメージです。
表1
表1ではトークンを整理しておきます。
Curve Warに詳しい方からすると、それぞれのフォーク先のトークンが入れ替わっただけなので、理解が早いのではないでしょうか。
Starlay Warの特徴
さらに、このプロジェクトは、Curve Warと比較して3つの特徴あります。
①LendingプロトコルであるStarlayにもveの機能を実装されている点
②チーム内の全てのveトークンがMuuuでの運用が可能となっており、高い利回りを実現しているveAPR
③新興チェーンであり、新興プロトコルであるため今はAPRが非常に高くなっている
veというロックの仕組みを通じて、それぞれのガバナンストークンの価値が下がらないような工夫、チーム内のガバナンストークンを次々に獲得することができるプロジェクトになっています。
veAPRの獲得する具体的なSTEP
図2ではStalray、Muuu、KaglaそれぞれのveAPRを獲得するための流れを図によって整理しました。
図2
投資の流れは下記になります。
Starlay Finance
①StalayにトークンをDeposit
②Receive : lToken + $LAY
Kagla Finance
③Deposit : lToken
④Receive : l3KGL
Muuu Finance
⑤Deposit : l3KGL
⑥Receive : $KGL,$MUUU
⑦Convert&Stake : $KGL
※Convert : $KGL→muKGL
※Stake : muKGL
⑧Receive : $KGL,$MUUU
⑨Stake&Loock : $MUUU
⑩Receive : $muKGL,$KGL
このように、同一チーム内のプロトコルを全て利用することで、高い利息(veAPR)を獲得することができます。
また、それぞれのプロトコルが扱っているトークンもステーブルコインを中心に取り揃えており、ILや精算リスクも最小限に抑えられています。
※veLAYは、まだ未実装。実装が機能がリリースされた際には、またさらにveAPRが受け取れることが予想される。
LAYを効率よく獲得する方法
KGLを効率的に獲得するにはMuuuを利用した方が良いですが、既に圧倒的な実績が出ているLAYトークンを増やしたいと思ってる方に対して、LAYの効率的な獲得方法を二つご紹介します。
①Tokensaleへの参加
今後全ての機能が実装される前に、LAYを獲得する方法は5月13日に予定されている2ndトークンセールへの参加が一番手っ取り早くLAYを獲得する方法です。
1stトークンセールは、5分で完売してしまいましたが、2ndはオークション形式のため、参加した全員がLAYを手に入れることができます。
②Starlayのレバレッジ機能であるMAKAIの利用
MAKAIとは、Starlay内の機能の事で、デポジットとBorrowを繰り返すことによって、元の資産の最大5倍のレバレッジをかけ効率よくAPR(LAY)を獲得できる方法です。
しかし、このMAKAIはレバレッジをかけているため、精算リスクも高まってしまうため注意が必要です。
各プロジェクトを横断して理解することで、効率的に運用できる
今回のStarlayに限らず、プロジェクトを横断的に理解することによって、DeFiでは効率的に資産運用を行うことができます。
また、Curve Warのようにイーサリアム上で発生した事象は他チェーンのフォークも出てきやすいため、理解しておくことで応用が効きます。
今回はCurve、Convex周りの仕組みが複雑な事もあり、veAPRのような収益機会があるという事に気づいている人はそう多くないでしょう。
Astar上にも既に多くのステーブルコインが開発されており、今後も多くのプロジェクトが生まれてくるはずです。
そのタイミングで仮に、KaglaがAstar上でCurveのようなポジションを確立していると、恐らくCurve Warのような事象が発生する可能性もあるかもしれません。
現時点では、そのようなKGLの奪い合いというよりは、Starlay、Kagla、Muuuの3つを活用し、効率的に資産運用するために理解しておいて損はないです。
新興プロトコルはリスクが高い一方で、高い利回りを享受できるところが魅力的なので、僕もStalray、Muuu、Kaglaを上手く活用し、資産運用をして行きたいと思います。
Starlay:https://starlay.finance/app
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