NFTオラクル&レンディングの「Banksea」はNFTFiの大きな一歩に。
Banksea Financeとは?
Banksea Financeは、初のNFT OracleとNFTのレンディングサービスを提供するプロジェクトで、Solana上で開発をされています。
現在、NFTレンディングサービスは複数ありますが、多くの課題があります。例えば、NFTを評価するメカニズムや、貸し手の資産の安全性に対する保証などが挙げられます。Banksea Financeはこれらの課題を解決するために、AI技術に基づいたNFT OracleやNFTプールベースのレンディングサービスの開発をしています。
まずはオラクルから解説していきます。
Banksea NFT Oracle
Banksea Financeは、NFTに特化したOracleを開発しています。Banksea Price Oracleは、Bankseaスマートコントラクトと相互作用するEthereumのブロックチェーンと、価格予測をオンチェーン層にフィードするAIノードのオフチェーンネットワークで構成されています。
この機能はBankseaに限らず、NFTマーケット全体の価格予測やリスク評価を提供することを目的として開発されています。
このOracleの使用例としては、バイヤーがNFT Oracleを使ってNFTの購入情報を得たり、プロトコルや貸し手が価格予測やリスク評価を参照して融資のリスクを判断したり、誰もが行うNFT取引にも利用できます。
現状、NFTは流動性が少ないため、偽装売買の影響を受けやすい傾向があるため、NFTの過去の価格だけを参考にするのではなく、多角的な要素から価格を決定しています。
外部から価格を取り組む方法
①USER-SCがERC-721互換アドレスに対してオンチェーン価格要求を送信する。
②BANKSEA-SCはイベントを記録し、Banksea-AI-Nodeにリクエストを中継します。
③Banksea-AI-Nodeはリクエストを受信し、AI Nodeルで必要な入力を得るために外部APIへの問い合わせする。
④Banksea-AI-Nodeは入力をAIモデルに送り込み、予測価格とリスクスコアを計算します。
⑤Banksea-AI-Nodeは予測価格とリスクスコアをBanksea Oracle Smart Contractに返します。
⑥BANKSEA-SCは、異なるAI Nodeからのすべての応答からコンセンサスに達し、その値をUSER-SCに返す。
オラクルの参加方法
① データプロバイダーは、KSEトークンをステーキングしてAI Nodeを立てる必要があります。Oracleスマートコントラクトがデータプロバイダーを悪質と判断した場合、ステークされたトークンを失い、参加できなくなります。
②Banksea Smart Contractは、各オフラインAI Nodeに対して「信頼性」スコアを保持します。提供された価格がオラクルに受け入れられると、各AI Nodeは手数料としてKSEトークンを獲得します。
「信頼性」は、以下によって決定されます。
・KSE手数料を獲得するAI Nodeの能力の一貫性。
・データの取得頻度、完全性、および品質。
・AI Nodeに賭けられたKSEの量
データ消費者はBanksea Price Oracle APIに問い合わせ、価格予測やリスク評価を取得します。リクエストを行う場合、手数料としてKSEが必要であり、この手数料はBankseaプロトコルとデータプロバイダーが報酬として分配されます。
データプロバイダーへの報酬
Banksea Oracleスマートコントラクトは、最終的に集計された価格予測と各ノードの値との偏差を計算します。その偏差が設定された閾値を下回ると、報酬が分配されます。
サービス品質評価に使用される主な要素は以下の2つです。
・アベイラビリティ:ノードが常にタイムリーに価格要求に応じることができるかどうか
・正確性:あるノードの価格予測が、最終的に集計された価格予測と比較してどの程度正確であるか。
データプロバイダーへの罰
価格予測の乖離が最終的な集計価格から大きすぎる場合、Oracle Smart ContractはAIノードの信頼性スコアを引き下げます。信頼性スコアが閾値を下回ると、そのノードは「悪質」と判定され、ステーキングしているKSEが没収されます。没収されたKSEは、それに応じて残りのAIノードに分配されます。
NFT ホワイトリスト
あらゆるNFTを一気にオラクルで価格を取り込むことが難しいため、ホワイトリストに登録したNFTから順にソートされます。AIモデルが繰り返され、精度が高くなっていくとより多くのNFTがホワイトリストに追加されていきます。
上記がBankseaの提供するNFT Oracleの仕組みとなります。
NFTレンディングサービス
NFTプールベースのレンディングサービスは従来のP2Pレンディングモデルと異なるシステムを構築しています。
貸し手は自分の資産をファンドプールに入れ、利回りを得ることができ、借り手は自分のNFTを担保にすることでレートと金利が算出され、資金を借入することができます。これらのNFTの評価はBankseaが提供しているAIオラクルに基づいて算出されています。
Bankseaは、借り手と貸し手の双方がNFT取引で負う可能性のあるリスクを十分に考慮し、マルチAIアルゴリズムアーキテクチャを採用して融資前、融資中、融資後のリスクコントロールを行い、プラットフォームの資金の安全性を保証しています。
NFTを担保にすることでETH、USDC、DAIが借入できる予定です。
精算方法
レンディングサービスなので担保にしているNFTや借入したトークンの価値が変動すると精算が発生する場合もあります。清算プロセスでは、担保資産を凍結し、オープンマーケットに割引価格で出品し、ローン資産に転換してローンの返済に充てます。このプロセスにより、借り手は元本と利息を返済することができ、貸し手の資金を安全に保つことができます。
担保に預けたNFTがどのようなプロセスを経て、精算されるのか理解しておくことは非常に重要なのでもう少し詳細に解説します。
まず、清算基準値(LT)に達すると、担保が清算手続きに入ります。清算が開始されると、Bankseaプロトコルが担保を没収します。
清算プロセスの最初の12時間で、NFTの担保者は、担保を返してもらうために借入金額を全額返済するオプションがあります。同時に、「プレセール」が実施されBankseaはBanksea Marketplaceに担保に預けられたNFTを割引価格でリスティングします。
マーケットプレイスに売りに出されてるキャプチャ
清算人(=NFTを購入する人)は販売価格をロックすることで、NFT担保を事前に購入することができます。もし担保を預けた者が無事資金を返済することができた場合は、清算人の資金は返却され、担保を預けた者が資金を返済できなかった場合は担保に出されたNFTはプレセール終了時に清算人のアドレスに送られます。
プレセールの後、担保の所有者が借入金額を返済できず、清算人も担保を購入しない場合、Bankseaはパブリックセールに進みます。Bankseaは、自動的にNFTをパブリックマーケットプレイス(例:Opensea)に出品し、ダッチオークションでセールが行われ、Price Oracleの予測価格を上値、ローン総額+金利を下値とします。
売却完了後、Bankseaはその資金をローンの全額返済に充て、清算人またはバンクシー・プロトコル・トレジャーに手数料を分配します。余った資金は、NFT担保の所有者のアドレスに返却されます。
売却が失敗した場合、NFT担保物件はBankseaプロトコルで「不良債権」となります。不良債権となったNFTはSecurity Fund Poolに充てられます。
Fund Poolは3つに構成されており、それぞれの役割は以下のようになっています。
スタンダード・ファンド・プール
貸出人がローン資産を預けることができるファンドプールの一つです。清算失敗の場合、債務返済のコストは貸し手とSecurity Fund Poolで分担する仕組みになっています。
保険資金プール
貸し手がローン資産を預けることができるファンドプールの1つである。清算不能の事態に陥った場合、債務の返済費用は全額Security Fund Poolによって賄われます。このプールで得られる総利息の一部は、Security Fund Poolに入ります。設計上、このプールの貸出金利は、スタンダード・ファンド・プールよりも低くなります。
Security Fund Pool
これは、不良債権が発生した場合にローンを返済するための資金プールです。このプールは2つの資金源によって賄われており、Bankseaが得る純利息手数料(借入金から貸付金を差し引いたもの)の40%と被保険者基金プールから拠出される保険料の100%です。
CitizenOneというNFTプロジェクトもある
CitizenOneとは、3,000個限定のGenesis NFTで、コミュニティメンバーがBankseaのプロジェクトに参加するために重要なNFTです。
CitizenOne保有者は、近日予定されているIDOでホワイトリストに登録され、アロケーションが保証されます。また、各CitizenOneの価格はBanksea NFT Oracleによって査定され、プラットフォーム上での融資の担保にもできます。他には、ステーキングだったり、エアドロップ抽選券に使用することも可能です。
すでにCitizenOneを購入することができるため、トークンのIDOに参加を希望している方はぜひ購入しておきましょう。
レアリティが高ければ高いほどアロケーションの割り当てが多くなるので、余裕がある方はレアリティの高いものを購入しておいても良さそうです。
数百万ドルの戦略的資金調達を実施済み
Banksea Financeは、数百万ドル規模の資金調達も実施しています。このラウンドでは、Petrock Capital、Parrot、MEXC Global、Springwind Ventures、RioDefi、Solar Eco Fund、Digital Renaissance、Zonff Partners、Definitive Finance、Digital Assets、Investment Solutions AG、GTA Venture、INV Ventures、CatcherVC、Palar Capital、XT LABSなどの機関投資家が参加しています。
大手のVCというよりはTier2のVCが多い印象を受けました。ただ、これはプライベートセールとはまた別の資金調達であることや、Round Bが実施中であることを踏まえると、他にも大手のVCが参加している可能性は高そうです。
パブリックテストを実施中
現在Bankseaではパブリックテストが実施されています。
4/11~17までの期間で行われており、バグ発見者には $KSEの報酬が貰えるらしいので、ぜひ参加しておきましょう。
参加方法は簡単でToken faucetからKSEを引き出して、ステーキングサイトでKSEをステーキングするだけです。
Token faucet: https://faucet.banksea.finance/Staking
Public Test: https://devnet.app.banksea.finance/stakingStaking
バグ発見者やフィードバックを行なった者が$KSEを貰うことができるそうですが、もしかすると参加しているだけで、エアドロがあるかもしれないですし、IDOのアロケを貰えるかもしれないので、参加して損はないです。
BankseaのオラクルはNFTFiを大きな進歩になり得る。
BankseaはNFT特化のオラクルとマーケットプレイスを展開するプロジェクトですが、個人的にはオラクルのほうに期待しています。
というのも現状、NFTの適正価格の算出方法が非常に曖昧であり、OpenSeaのフロアプライスを参照にしているケースが多いです。しかし、OpenSeaのフロアプライスだと簡単に価格操作を行うことができるため、レンディングサービスでNFTを担保に資金を借入している場合、リスクが生じます。
そのため、NFT全体としてオラクルの導入が求められており、このオラクルによる適正価格の算出が確立できれば一気にNFTFiも浸透していくのではないでしょうか。
これらの理由から初となるNFT Oracleを開発しているBanksea Financeには期待を寄せています。
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